学習の手引

〇なぜ学ぶのか

　なぜ学ぶのか。みなさんはどう考えますか？

　一生懸命勉強して、レベルの高い高校・大学に進学し、一流の企業に就職し、安定した生活を送るためでしょうか。

　そのように考えることも間違いではありません。高校受験や資格試験など、自分で設定した目標のために勉強することは素晴らしいことです。しかし、それは学ぶことの本当の目的ではなく、学んだことによって得られる一つの結果であるといえるでしょう。

　また、机に向かい、ペンを走らせるだけが学びではありません。日々の生活や人との関わりを通して、自分の心の変化を感じ、不安を取り除いたり心に余裕を持たせたりすることもまた、学びなのです。

　こうして学び続けることで目の前の目標を達成し、新しい目標に向かって進んでいく。その過程や、その先に「学ぶこと」の本当の意味があるのです。

　みなさんは、なぜ学ぶのでしょうか。自分の言葉でぜひ考えてみてください。

〇自分の考え・自分の言葉

　自分の頭で考えたり、感じたりすることを、みなさんは当たり前のことだと思いますか？

 　「周りの人が言っているから」「影響力のある人が言っているから」そんな理由で自分もそうだと考えたり、感じたりしていないでしょうか。自分の目でしっかり見、自分の頭でじっくり考えたうえで結論を出しているでしょうか。

　人は真剣に学び、実際に経験することによって、多数派の意見や他者の感情に左右されない、自分の軸を獲得していくことができるのです。人間に生まれて人間として生きている私たち。人間らしく自分で感じ、自分で考え、自分の言葉で語れる人になりたいですね。

〇学び続ける力

　みなさんは「無知の知」という言葉を知っていますか？「自分が知っていることはごくわずかで、知らないことはまだまだたくさんある」ということを知っている状態のことを指す言葉です。義務教育の期間に学校で学べることは、ごくわずかです。世界はみなさんの知らないことに満ち満ちています。学校では知識を詰め込むことよりも、学ぶ方法や習慣を身に付け、これから先の未知の世界で生涯「学び続ける力」を身に付けることを意識して生活してみてください。